教育に関して
入職者オリエンテーション
当院では出勤初日に以下のオリエンテーションを行っています。
【AM】オリエンテーション |
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病院・看護部の理念 院内見学及び案内 鍵の取り扱い・ロッカー使用について 精神科特有の身だしなみについて 就業規則・勤怠管理・休憩について ハラスメント受付窓口の案内 病棟組織について |
【 PM 】 配属病棟でのオリエンテーション |
病棟の特徴 就業規則・各種マニュアル設置場所 防災連絡網・病棟直通電話について 行動制限に関するレクチャー 日・週・月あたりの業務の流れ 看護体制・機能別看護について 病棟内及び設備等の案内 病棟職員への紹介 入院患者さんへの紹介 入院患者さんに関する説明 勤務について |
教育プログラムの項目例 |
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精神科看護に必要な法知識、守秘義務・個人上保護の知識、 医療安全、感染防止対策、各精神疾患の看護に関して、 医療機器の取り扱い方、検査・検体の注意事項、 診察介助・看護処置について、薬剤管理について、etc… |
院内研修委員会 研修計画
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①研修
行政から実施を義務付けされている研修会です。
研修項目 医療安全(年2回) 感染防止対策(年2回) 精神保健福祉法 行動制限最小化 看護補助者対象の研修 虐待の防止のための研修 -
②必須研修
病院職員として欠かすことのできない研修(知識)です。
研修項目 倫理教育研修 救命救急研修 接遇研修 抗精神病薬 災害に関して CVPPP研修 -
③トピックス研修
話題となっている事項や、必須研修・ステップアップ研修で取り扱っていない内容だが知識として必要である項目、 医師による研修(講演会)、職員が求める研修会などをトピックス研修として行っています。
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④eラーニング
各職員にeラーニング用のアカウントを配布、PC・スマホからいつでも自己研鑽が行えるようになっています。 また、eラーニングの活用を促すため、毎月院内研修委員会が視聴して欲しい項目をお知らせしています。
クリニカルラダーについて
『看護にとって重要なのは、「経験年数」ではなく、「経験の質」である。』(P・ベナー『ベナー看護論―初心者から達人へ』)
看護を取り巻く環境は日々変化しています。スタッフの教育背景、臨床経験も多様化しています。以前のように、年数を目安に何年立ったから一人前、という評価をすることは難しくなっている状況です。より良い看護を提供することはもちろん、精神科で必要な教育が受けられ、スタッフのこれから先のキャリアパスを支援するためクリニカルラダーを作成し、継続学習を支援していきたいと考えます。
クリニカルラダーは5つの段階と看護実践能力で構成されています。
クリニカルラダーレベル1→5の順に看護実践能力は高くなっていきます。看護実践応力は、「A 関係性を構築する力」「B ニーズを把握する力」「C ケアを行う力」「D 協働していく力」「E 意思決定を支援する力」の5つの実践能力(精神科看護協会ラダーより)で、5つの力をつけていただくことで、精神科看護の対象となる人々に安心・安全な看護の提供ができると考えます。
実践能力を高める学習をすることで、クリニカルラダーのレベルは向上していきます。
学習支援は主にeラーニングを利用して行い、各クリニカルラダーの実践能力分類に応じたプログラムを設定しています。
クリニカルラダー
到達段階 | レベルⅠ | レベルⅡ | レベルⅢ | レベルⅣ(主任級) | レベルⅤ(師長級) | ||
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到達目標 | 基本的な看護手順に従い、必要に応じて助言を得ながら、安全に看護を実践できる。 | 根拠のある判断、看護実践ができる。 | 対象者の個別性を理解し、状況に応じた看護を実践できる。 | 全人的に対象者をとらえ、幅広い視野と予測的な判断をもって、対象者中心の看護を実践できる。 | より複雑で対応困難な状況において、最良な手段を選択し、対象者の満足度、QOLを高められるよう高度な看護を実践できる。 | ||
看護実践能力 | 項目A 【目標】関係性を構築する力 | 対象者に関心を向け、対象者の視線や表情、雰囲気、態度から相手の思いを察知し、工夫しながら関係性をつくることができる。 | 受容的、支持的な態度でかかわり、対象者から信頼してもらえる関係性をつくることができる。 | 対象者の対人関係能力が高められるよう、看護職自身の抱いた疑問や異和感、感情を意図的に利用することができる。 | 複雑な状況下にある対象者らと、相互にゴールを共有し、協働を意識した関係性を築くことができる。 | 複雑な状況下にある対象者らと、自律に向けた関係性を深めることができる。 | |
項目B 【目標】ニーズを把握する力 | 対象者の言葉や行動などから日々のニーズを考えることができる。 | 対象者の過去から現在までの状況を理解したうえで、日常生活上のニーズを中心にとらえることができる。 | 対象者および対象者をとりまく人々の個別的なニーズをとらえることができる。 | 対象者および対象者をとりまく人々のニーズを、QOLを意識して多角的にとらえることができる。 | 医療チームと連携し、対象者および対象者をとりまく人々の真のニーズをとらえることができる。 | ||
項目C 【目標】ケアを行う力 | 対象者の特徴や意向を意識しながら、安全かつ確実に日常的なケアを実施することができる | 看護計画を意識して必要なケアを実施し、対象者の反応を確認して看護計画の評価および修正ができる。 | 精神状態や治療を理解し、対象者の個別性に合わせたケアができているか確認し、看護計画を評価考察し、修正ができる。 | 対象者の全体像から、提供されているケアを精査し、より質の高いケアを行うロールモデルとして機能できる。 | 複雑な背景や状況においても、対象者にとっての最善のQOLを見据えてケアの質の管理に取り組むことができる。 | ||
項目D 【目標】協働していく力 | 対象者にどの職種がかかわっているかを知り、それぞれの職種の役割を理解し、看護職の役割を考えることができる。 | 対象者に必要な職種を特定し、必要な情報を共有する際に、看護職としての意見を述べることができる。 | 対象者を中心に、家族や多職種とタイミングよく連携することができる。 | 多職種で目標を共有し、役割分担をして協働できるよう主体的にかかわることができる。 | 複雑なニーズや社会の動向に対応し、多職種連携がスムーズに行えるよう、自律的に判断し、調整できる。 | ||
項目E 【目標】意思決定を支援する力 | 対象者や対象者をとりまく人々の意向を把握することができる。 | 対象者や対象者をとりまく人々の意向を、看護に反映させることができる。 | 対象者や対象者をとりまく人々の意思決定に必要な情報を提供したり、話し合うための場の設定、意思表出をサポートすることができる。 | 対象者や対象者をとりまく人々の意思形成を助け、意思決定に伴って生じる揺らぎを共有しながら、対象者の意思を尊重した対応ができる。 | 複雑な意思決定プロセスにおいて、多職種も含めた調整的役割を担うことができる。 | ||
自己教育研究能力 | 項目F 【目標】看護力を獲得・維持・開発する力 | 教わる者としての姿勢や態度を考え、積極的に学ぶことができる。 | 経験をふまえた指導的役割を通して自らも学ぶことができる。 | 広い視野で必要な知識、より専門的な知識の獲得・追究に向けた行動ができ、メンバーに対して教育的なかかわりができる。 | 自己研鑽でき、教育・研究活動にも自ら取り組むことができる。教育活動について、指導的な役割を実践することができる。 | 精神科領域にかかわる高度な看護について自己の教育活動を展開ができる。組織的研究活動を実践できる。 | |
組織的役割遂行能力 | 項目G 【目標】業務を管理する力 | 組織のメンバーとして日々の業務を遂行できる。 | 所属する部署の自己の役割を理解し、自ら考えて行動することができる。 | 所属する部署・組織におけるリーダー的存在として、創造力を要求される役割を遂行できる。 | 所属する部署・組織で看護の質にかかわる管理責任の一部を担い、専門的な能力を必要とする指導的な役割を遂行することができる。 | 所属する部署・組織の看護の質にかかわる責任を担う者としての役割を遂行することができる。 |
受講実績
※過去の受講実績は
・国際医療リスクマネージメント学会
・千葉認知症研究会
・日精協認知症に関する看護研修会
・日精協standard/senior研修
・医療安全管理者養成研修
・精神科認定看護師フォローアップ研修
・看護協会災害看護研修 etc...
※このほか、感染に関する研修・医療安全に関する研修・行動制限に関する研修が各2回/年あり、院内外の講師による講演会もあります。